三日月句会

俳句のこと。句会のこと。一考さんのこと。

2015-01-01から1年間の記事一覧

12月号 人作品抄(十人集・当月集・合鳴鐘集)

<勝手に鑑賞>…川越歌澄 広島忌蜜の固まる瓶の底 田中耕一 広島の平和記念資料館で、被爆したガラス瓶を見た。熱線を受けて飴細工のように一瞬でぐにゃぐにゃに変形したのだという。 朝食の席だろうか、作者は蜂蜜の入った瓶を手に取り、底に蜜が固まってい…

12月号 随筆「さんまい三昧」

私の句を採り上げていただきました。ありがとうございます。 自分で作っておいて忘れておりました。 いつも絶妙の季節感で、熱燗が恋しくなったりして。

12月号 主宰作品

今号は発行がいつもに増して早かったです。 編集部各位のご尽力の賜です。 この「12」という数字が大事なのですよ。 主宰作品。 毎回淡々と載せておりますが、もう少し色を付けた方がいいのだろうか。 今回、少し画像が見づらいかもしれないと思いつつ載せ…

主宰作品鑑賞 11月号より

この号から主宰作品鑑賞を担当することになりました。 鑑賞文が掲載されるのは来年1月号からですが、 11月号のご紹介に合せて一部掲載してみます。 (いつも漢数字とアラビア数字の使い方に悩む…) 喪服着て木槿の道を通りけり 麻績 「道のべの木槿は馬にく…

仁左衛門洛中にあり燗熱く

仁左衛門洛中にあり燗熱く 一考 句集『白昼』より。 京都南座で「まねき上げ」が行われたというニュースを見ていて、この句を思い出した。 http://www.kabuki-bito.jp/news/2967 12月には南座で「吉例顔見世」が始まり、ここから歌舞伎の一年が始まる。大切…

随筆「さんまい三昧」

今月のテーマは「すし」。 文章の冒頭に出てくる「雲丹のにぎり」を食べたのは私です。 自慢したところネタにされたのです。 北海道で育った私にとっては「すし」といえばいかにネタ(じゃなくて「すし種」と云うべきでした)が新鮮かというところに尽きるの…

冬芒

冬芒未曾有の光流れけり 一考 作者はそこに異界を見ている。 穂の開ききった冬の芒はより光を通し風を容れ、一斉に靡く様には近寄りがたい荘厳さがある。 「未曾有の」という表現には、そんな冬芒が光と一体化し、大きな光芒として現前しているのを目の当た…

11月号 人作品抄

同人以上の作品抄。佐藤麻績選。 <主宰による鑑賞> 子どもばかりだつた八月十五日 藤井 綸 昭和二十年八月十五日に何歳だったかによって終戦のその日の印象はさまざまであろう。終戦を確かに受け止められたのは、玉音放送が大きく影響したとも思うが、私な…

「俳句総合誌管見」より

昨年より『俳句界』を担当させていただいております。 特集に、いろいろ考えさせられました。 私が「人」に入会して27年になりますが、つい最近まで中央の句会にはほとんど顔を出さず、サボってばかりでした。 もっとお話を伺っておけばよかった、俳句に向き…

11月号 関野星夜作品

「人」創刊同人で静岡の重鎮。 毎月の東京例会に熱海から出席されています。 お名前の通り星のきらめきを思わせる繊細で鋭敏な感覚。 近年は一層自在さを増したように思います。 お聴きしたことはないのですが、カラオケの歌声も相当なものとか。 92歳。

11月号 主宰作品

記事のアップが遅くなりました。 11月号、順調に出ております。 表紙は年間を通じて一緒なのでありますが… 撮影地は西表島とのこと。 主宰作品。 私事ですが、今号から主宰作品の鑑賞を仰せつかりました。 また緊張感あふれる日々が始まります。 それにして…

随筆「さんまい三昧」

合鳴鐘集同人、新沢糝子さんによる随筆。 糝子さんは料理本の編集を生業にされている。毎月本が届くと隅々まで目を通して、「食」にまつわる句を集めているそうだ。 興味ある分野の句を追求するというのも俳句を読むときの楽しみですね。 随筆にはそうして集…

10月号 人作品抄鑑賞

十人集・当月集・合鳴鐘集それぞれの巻頭の作品の、主宰による鑑賞をご紹介します。 冷し酒風のうま味をあぢはへり 天下井誠史 お酒は飲めなくはないが「うま味をあぢはふ」などと言うものとは言えない。そして、その様なことを望んでもいないことに気づき、…

10月号 人作品抄(十人集・当月集・合鳴鐘集)

佐藤麻績選による作品抄。 十人集・当月集・合鳴鐘集の同人の作品より。

10月号 主宰作品

10月号到着です。 毎月1日の発行を目指して頑張っております。 私の原稿遅れ気味で申し訳ありません… 今号からはもう少し内容に関してご紹介できればと思っています。 ちょっと横道にそれますが、 主宰作品のページの下の部分に散らばっているアルファベット…

青き柚子

青き柚子鞄に入れて夜行性 一考 「貰った柚子は真青であった。鞄に入れても発光するような色だった。習慣となってしまった夜型の生活を助長するようだった。」(『自註現代俳句シリーズ・Ⅱ期 20 進藤一考』より) 昭和55年の作。 初めて読んだとき、「青き柚…

このブログについて

ご訪問ありがとうございます。 当ブログは俳誌「人」を地味にご紹介しようという目的で立ち上げられたものです。 まだシステムにも明るくなく、何かと不手際があるかと思いますが、漸次整えていきたいと思っています。 ●友だち申請に関しては、まだこのブロ…

作品・須藤葉子

今年退会された函館支部の須藤葉子先生。 「先生」という語はそう簡単に使うものではないと思っているけれど、 私が俳句を始めた時からお世話になり、人間として尊敬もしている。 「ものを云いたければ俳句で云おう」と私が決めたのは、今思うとこの人影響か…

北斗賞受賞者座談会

私事ですが、9月15日に開催された「文學の森」主催の座談会に参加しました。 受賞者の皆さんにお会いしたのは初めてで、有意義な時間でした。 私は皆さんほど活躍できてませんが・・・ 『俳句界』11月号に掲載予定です。 編集長・林誠司さまのブログより☜ 許…

9月号 主宰作品

9月号。 主宰作品。

「人」創刊の辞

今から36年前、進藤一考49歳の創刊の辞。 何よりも結社内の人間がこの理念を見直し、噛みしめねばならない現状である。 「人」創刊の辞 我々は、あらたに「人」を創刊することとなった。俳誌の名を「人」と決定したのは、”俳句は人なり”の信条に従った。古代…

はじめまして

昭和54年創刊の俳誌「人」です。 ブログを開設して結社のご紹介をすることにしました。 担当は同人の川越歌澄です。 このブログは川越歌澄が主宰の了解を得て個人的に開設したものです。 一切の責任は結社ではなく私個人に帰するものです。 今年2015年は師進…