三日月句会

俳句のこと。句会のこと。一考さんのこと。

2020-01-01から1年間の記事一覧

あれこれ

東京を一歩も出ずに過ぎた八月。 恒例の旅行もできずに淋しかったが、その分東京散歩にいそしむ。 都心は却って人が少なかった。自分なりに飲食店を応援。 相変わらず句会が出来ない状態が続いているが、それなりにバタバタ。 「人」500号が届いた。 これが…

あぢさゐ

気が付けば6月も終わろうとしている。 毎年6月には函館へ帰省することが多いので、ちょうど東京の紫陽花を見損ねることが多い。 今年は特殊な事情で帰省もためらわれ、梅雨時を東京で過ごすこととなった。 梅雨時とはいえ、雨の降らぬ日は真夏日の暑さで、天…

ユダ

ユダ読むで金貨の如き夜光虫 一考 昭和50年作。『河』掲載。 ユダといえば「銀貨30枚でイエスを敵に売った」と広辞苑で身も蓋もないいわれ方をしている裏切り者の代名詞のような存在。Giotto の「ユダの接吻」も思い出される。 「ユダ読むで」から連想したのは太宰…

八十八夜

八十八夜・・・立春から八十八日目に当たる。蔬菜類の苗はようやく成長し、養蚕は初眠ごろ、茶摘は最盛期で、農家は忙しい。この日以後は霜がないとせられている(角川文庫『俳句歳時記・春の部(昭和62年)』より) 個人的には「夏も近づく八十八夜」という「茶摘み」…

フレデリック

このところ、 しきりに「フレデリック」が思い出される。 レオ・レオーニのちぎり絵のねずみ。 冬に備えてせっせと食べ物を集めるねずみたちの中で、フレデリックだけがじっと佇んで、何もしていないように見える。 仲間が咎めると、フレデリックは「ボクは…

猫と市電

三月や猫と市電が海へゆく 句集『斧のごとく』より。昭和55年作。 函館を詠んだ句だと勝手に思っていたが(我田引水的に)、 富山は高岡の情景とのこと。 広辞苑によると「市電」は「市営電車または市外電車の略。通常、路面電車を指す」とあり、「主に市街…

二月

2020年2月2日。 令和二年二月二日でもある。 せっかくなので何か書いておこうという。 どうせなら22:22も狙うのであった。 一考さんは「二月」の句を多く詠んでいる。 一年の中で「十二月」に次ぐ二番目の多さである。 たしかに「十二月」といえば様々な感…

あらたまの

あらたまの脈拍に指あててみよ 『白昼』より。平成五年。 一考さんは毎年かなり意識的に新年を詠んでいる。 年の初めに良いことばを放つというのは詩歌に関わるものとしては当然意識すべきことなのかもしれない。 自分が出来ていないので反省している。 「あ…