紅梅に最もちかき船櫓 『斧のごとく』より。昭和53年 作者の詠む紅梅は、よく水辺にある。 洲になにもなし紅梅の一進す 洲を掘りて水位の確か薄紅梅 昂然と紅梅あらば渚まで 作者の居住地横須賀方面の風景のようにも思う。怠慢ゆえにまだ確かめていない。 海…
身に湧いて雛のうたや小名木川 『白昼』より。平成四年。 「小名木川」「雛」といえば『おくのほそ道』である。 江戸深川の「江上の破屋」に暮していた芭蕉が漂泊の思い止まずに松島を指して旅立つ冒頭部分、人手に渡った庵に 草の戸も住替る代ぞひなの家 と…
引用をストックしました
引用するにはまずログインしてください
引用をストックできませんでした。再度お試しください
限定公開記事のため引用できません。