2016-01-01から1年間の記事一覧
菊冷えと思ひをりしが紅葉冷え 一考 私事だが、11月の函館句会に「菊日和」の句を出したら無点だった。 「季感がピンと来なかった」という。 東京では菊花展も開催され、晩秋から初冬の、本当に良い季節。 函館では雪も降りはじめ、最低気温は氷点下になる。…
須藤葉子先生は「人」創刊時からの同人で、私が俳句を始めた頃の「人」函館支部長として、一方ならぬお世話になりました。 句の指導というだけでなく、俳句を作る者としての佇まいや心構えなど、先生は何ひとつ押しつけがましいことは言いませんでしたが、多…
『人』の「俳句総合誌管見」というコーナーで『俳句界』を担当しています。 いわゆる「ハウツー」的な記事には興味が無いのですが、句作の根本的な部分に働きかけるような記事が多く、興味深く担当させてもらっています。かなり好きなように書いてます。 8月…
ご無沙汰しておりました。 「人」8月号です。 今号から印刷所が変り、心機一転のスタートです。 表紙は昭和54年の創刊号のものです。 初心に帰って新たな歩みをということです。 会員に宛てたことば。 何よりも句を第一に、句に厳しくというのがあるべき姿…
いろいろ試してみたくなります。
毎月一日に合せて届く『人』誌。 今月も無事に。 主宰作品。 同人の作品抄。
白梅や睡魔が神の姿して 進藤一考 句集『櫂歌』より。昭和59年。 白梅を見ていたら眠くなってきた。睡魔に襲われたのだ。 白梅の樹は満開で遠目に雲のように見える。それが曇っていると梅の花と空とが混然一体となって自分もその中に溶け込んでしまいそうに…
団栗を上手く蹴られぬ朝もある 森住 昌弘 朝の道に団栗が落ちている。何気なく毎朝蹴ることにしている。何をするにも思う様にいくことに安堵し続けていた。だが調子が違う、昨日のようにいかない。蹴ったつもりが、残っている、再び試みる。こんなことに心ま…
鶏頭やすこし稚気ある師ではある やはり進藤一考のことだろう。「すこし稚気ある」で無垢な眼差しやいたずらっぽい笑顔を思い出した。 鶏頭の花は燃え立つようだが同時に穂の揺らぎ具合が諧謔的にも見え、作者にふとこんなことを思い出させる契機にもなった…
1月は自分が風邪をひいたり父の緊急入院に伴って帰省したりと、あっという間に過ぎ去り、 こちらも随分お留守になってしまいました。 また鋭意更新に努めますので、よろしくお願いいたします。 遅ればせながら、1月号の主宰作品から。 殊によきピアニッシモ…
湧きに湧く埠頭の鷗破魔矢享く 一考 句集『白昼』より。平成三年の作。 初詣の景。作者は横須賀に住んでいたから、海の感じられる句が多い。 埠頭に鷗が「湧きに湧」いている。漁港のようにも思える。きっと天気も良く、新年の青空を飛び交う鷗の翼が日に輝…
2016年が明けました。 本年も俳句のことを考えながら歩んでいこうと思っております。 よろしくお願い申し上げます。 表紙も新しくなりました。 写真は中山道、奈良井宿。 一年間、この表紙と共に、 重ねてよろしくお願い申し上げます。