三日月句会

俳句のこと。句会のこと。一考さんのこと。

2018-05-01から1ヶ月間の記事一覧

炎天

いみじくも炎天よりの憎しみぞ 句集『櫂歌』より。昭和60年。 まず「いみじくも」である。広辞苑によると「まことにうまく。適切に」とある。 原型の「いみじ」は「『いむ(忌む)』の形容詞形で、禁忌として決して触れてはならないと感じられるというのが原…

うつくしく蛇の泳いで伊勢の雨 句集『黄檗山』より。昭和58年の作。 掲句は「人」昭和58年11月号に掲載されているが、記録を見る限り、実際に伊勢を訪れて詠まれたものではないようである。 実際の景に際してのものではなかったとしても、そこへ到るまでの作…

噴水

本降りに夜の噴水の有頂天 句集『貌鳥』より。平成元年の作。 まず「有頂天」という語が頭に浮かんだという。 「有頂天なものって何だろう」と作者はイメージを膨らませる。 「胡蝶蘭」を連想する。それでは容易に想像がついてつまらない。 続いて「噴水」を…