2015-11-15 冬芒 進藤一考 #俳句、川柳 冬芒未曾有の光流れけり 一考 作者はそこに異界を見ている。 穂の開ききった冬の芒はより光を通し風を容れ、一斉に靡く様には近寄りがたい荘厳さがある。 「未曾有の」という表現には、そんな冬芒が光と一体化し、大きな光芒として現前しているのを目の当たりにした作者の思いが凝縮されている。それは光の流れであり時間の流れであり、魂の輝きのようにも思えてくる。 句集『貌鳥』より。