三日月句会

俳句のこと。句会のこと。一考さんのこと。

八月一日

ブログ引っ越しました。

追々慣れていきます。

 

さて、

八月一日は一考さんの誕生日。

扉をひらき八月一日ありにけり(H.8)

一枚の裸なりけり誕生日(S.63)

誕生日を意識していたらしく、各句集の後書は大抵八月一日に書かれている。

そういえば、一考さんの句には自分の身体に関して詠まれたものも多い。

客観視しているというか突き放しているというか、

常に己の存在を問いかけていたように思う。

 夜の鼻が大きくなるぞ牡丹雪(S.53)

 吾が影の凾置くごとし秋の風

 書き出して名は妙なもの雪催(S.54)

 手足より月夜となれりマスクせり

 とどまれば肩幅の知る冬の川(S.57)

 鼻筋できく初かなかなのやみにけり(H.1)

 海苔焙る手のをかしさや火事の夜は(S.55)

 年の雲双手使ふに肩の出て(S.60)

 花を出て途方の無きは手の甲か

 くるぶしに西日の当る齢得て(H.1)

俳句を作るということは、自分は一体何者なのかということを問い続けることでもあると思う。

今年は「人」創刊から40年という節目の年だ。

「人」を創刊した年に一考さんは50歳を迎えた。

自分がその年齢に近づいて、改めてすごさを噛みしめているところ。