良夜
二十年前。
東京例会で一考さんから紙切れを渡された。
「良夜」と書いてあった。
「九月号に随筆を書きなさい」とのこと。
その頃原稿依頼は一考さん自らが葉書を送ったり、上記のように句会で直接「お題」を渡したりすることがよくあった。依頼された方はおののきつつも、ちょっと張切った。そんな人は多かったのではないだろうか。
私が書くことになったのは、毎月お題を決めて複数の人が随筆を書く企画で、他には安藤八木郎さんと小林幸吉さんという豪華メンバーだったと記憶している。
二十代のぺいぺいの一会員の私に、よく書かせてくれたなと思う。
当時はそんな気風だったのかもしれない。
折しも本日十五夜。
ふと思い出したので載せておきます。